ひとこと
フェアリー・ゲイならぬフェアリー・ブラック
あらすじ
作家のセロニアス・モンク・エリソンはしばらく本を出せていない純文学作家。
生活のために大学で教鞭をとっているが、黒人奴隷の物語の授業で差別用語を受け入れられない学生を批判して泣かせたりといまいちうまくいっておらず、休暇を勧められる。
家族が住む故郷に久々に帰ると、顧みてこなかった課題がこっちにも山積み。
やけくそで世間がイメージする「キャップを被ってゴールドネックレスをつけて銃を持ち強盗する」ギャングスター黒人を描いた小説を書くと、とんでもない大ヒット。
まさか売れると思わなかったが印税は必要なモンクは悩む…
監督 :コード・ジェファーソン
製作国 :アメリカ
劇場公開日:なし(日本では配信のみ)
感想※ネタバレあり
冗談で誇張して書いた黒人小説が思わずヒットしちゃう話、と聞いて鑑賞。が、それより中年クライシス的な側面が強かった。
うまく折り合えない仕事、認知症の母親、ゲイの兄弟、兄弟の死などなど。
アメリカ(てかほとんどの先進国)の家庭に今ある問題詰め合わせ。
「アメリカは元受刑者でも金持ちにしてくれる国」というスタッグ(モンク)のインタビューでの発言も、ラップをする底辺貧困の黒人も一側面であり、
モンクの生活シーンで描かれる姿も、いまを生きるアフリカ系アメリカ人のリアルなのである。
家政婦ロレインの結婚式当日のシーン全部よかったな。
朝から家がわやになっててモンクが怒るけど、ロレインはにこにこしてて「いてくれ」って言うの感動した。
それに警官のおじさんが「他人の家族のほうが扱いやすい」と言い、モンクが「残念ながらあんたも今日からその一員なんだ」っていうあたりで、この家族まだ全然修復可能だよな~と思った。
「俺には良さはわからないけど、みんなお前を愛したいんだよ」という兄弟もよかったしね。
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